3月某日、拡張が出てマックス9人プレイ可能となったエクリプスを、どうせなら9人でやろうじゃないか会が開かれた。プレイ結果は他で書かれているので、この拡張自体の感想めいたことを書いておく。私のエクリプス経験は無印を7回で、人類+全種族経験済み。ただし拡張は今回の1回のみだ。
プレイレポートは同卓者の皆様のこちらをどうぞ。
お祭り(Eclipse 9人戦) - pmnjの日記
【プレイ日記】9人エクリプス会&ビッグバントーナメント第四十一夜 - 今日もプレイミス - 楽天ブログ(Blog)
第34回「一大宇宙叙事詩『エクリプス』で9人戦!」: タナカマコトの「手番ですよ。」
この拡張は何種類もの拡張の詰め合わせで、それを自由に組み合わせてゲームに取り入れられる。今回はせっかくの機会なので、入れられるだけ突っ込んだ。
- レア技術
総じてバランスを壊すことなく(むしろ改善する方向)、煩雑さもほとんど増さないので、ぜひ入れるべき拡張だ。
- 進歩
入れれば戦術の多様性は間違いなく増すし、めんどくさくなるわけでもないので、レア技術ほどではないけれど、これもお勧め。
- 古代人の故郷
- 銀河中枢の奪取
- 古代人の群れ
エクリプスで最も運要素が強いのが探索タイルめくりだが、それをより強くしている。この拡張セットのなかで、これだけは余りお勧めできない。
- ワープポータル
- 2人同時プレイ
- 同盟
レア技術と並ぶこの拡張の目玉だろう。前述のようにエクリプスは移動の自由度が小さい(他人の領域に入った時点で宣戦布告となる)のだが、このルールのおかげで移動範囲がぐっと広がる。もちろん戦術の幅も広がり、戦闘型の種族が守りを固め、その後方で建造有利種族がモノリスを建てまくる、といったことも可能となる。最終ターン以外なら同盟を抜ける(ペナルティ3点)こともでき、仲間だからといって完全に信頼して良いわけではない。モノリス警護を任せ、自領域内に船をたくさん入れさせていたら、裏切りによってすべて奪われてしまった、なんてことも起こりうるのだ。
BGGではエクリプスをユーロゲームとするひとが多い。これはさすがにどうかと思うのだが、4x系マルチの系譜から見れば、相当にユーロ寄りなハイブリッドであることも明らかだ。なんといっても、原理的には他プレイヤーと戦闘をしなくても勝てるのである。しかし日本ではむしろ重量級ゲームとして受け取られ、「なのにマルチとして物足りない」という風に見る向きもある。実は私も結構それに近い感想を持っている。スマートと評される部分に、丈の足りなさを感じてしまう。
この拡張、というよりも同盟拡張によって、エクリプスのマルチ性は大幅に増した。「叩くべき相手」に攻撃が届く可能性が増し、誰と同盟を組むのか、組むとして裏切るのか、裏切るのならいつ裏切るのかなど、政治的判断を要する機会が多くなっている。しかもメカニクスの「スマートさ」はそのままだ。バニラのエクリプスを気に入らなかった人にこそ、試してもらいたい。
と言っても私が次にエクリプスをやるのは、多分来年、新しい拡張が出たら(アナウンスもなにも無いが、出る予感がびんびんである)ということになりそうだ。世の中面白いゲームはたくさんあるのですものね。