2012年5月29日火曜日

1989会他

今日は3つのゲーム会をはしごして参りました。また1つKJに近づいた。

1989(1989:Dawn of Freedom


BGG総合トップに居座る化物ゲーム、トワイライトストラグルの続編的ゲーム。前作が冷戦体制期の数十年間を扱っていたのに対し、今作はタイトルにあるように、東欧民主化に湧いた1989年の1年間を扱い、各プレイヤーは民主派か共産側を担当する。当然舞台は東ヨーロッパなので、よく知らない地名がばんばん出てきて最初は大変だ。

TSとの大きな違いは、得点計算直前に権力闘争カードというのを対象国の支配地数に応じてひき、それを使ってトリックテイクぽい(もしくはハンニバルぽい)勝負をするところ。敗者はダイスロール(勝ちカード等による修正あり)によってサポートポイント(TSの影響力に相当)を失い、勝者はVPを得る。このとき民主派が勝者となり、ダイスロールが4以上なら、その国の政権を民主派が奪取したことになり、以後(ゲーム終了時を除き)この国家で得点計算は行われない。共産側が政権を維持した場合、共産側は追加VPを得る。政権維持回数が重なれば、この追加VPは2倍、3倍と増えていく。またゲーム終了時に政権維持国家数により共産側にボーナスVP(かなり大きい)があるので、民主派にとって政権奪取は至上命令となる。

上記処理の終了後、通常の得点計算を行う。TSと同様、存在・優勢・コントロール段階別のVP獲得だ。

その他の違いとして
・影響力排除とクーデターが、サポートチェックに一本化された。クーデター判定に隣接地修正をつける。
・デフコンが無くなった。
・ヘッドラインが無くなった。
が大きなところか。

共産側を担当。インターナショナルの灯を消させるわけにはいかない。
などと思っていたら1ターン目でポーランドの政権が奪取され、大きな差をつけられる。また序盤は有利なはずの天安門トラック(TSでいう宇宙開発)で1を連発する。おまけに唯一優勢を保っていたハンガリーの得点カードをババ抜きで捨札にしてしまうという痛恨。加之、むしろこれが一番大きいわけだが、TSのやり方をほとんど忘れていたことによる下手糞プレイ等々が重なり、なんとかサドンデスだけは逃れたものの、哀れ共産主義は亡霊と化したのであった。

恐らく、共産側の方がゲーム全体を見据えたゲームメイクが必要なようだ。展開につれて押されていくのは明らかなので、どこを捨て、どこを守るかを最初期から意識し組み立てて、Late開始時に6カ国中3ヶ国を手中におさめていなければ、多分勝てない。

ゲーム終了まで4時間かかった。ルールを読んだ時点では「ゆるくなったTS」と感じていたので、うまくいけば2時間で終わるんじゃね? などと思っていたのだが、全くそんなことはなかった。権力闘争カードのおかげで考慮要素が増しているし、カード全容を把握しても2時間は切れないんじゃないだろうか。

TSほどの没入感は覚えなかったが、面白いことは間違いない。あと10回はやりたいゲーム。



満足したところで次の場所に移動。

フードファイト・スナックアタック(Food fight:Snack Attack


最近わが国でも静かにブーム中のフードファイトの拡張。しかし残念ながらこのゲーム、結局リアルで1回、iOSで1回しかやっていないので、どれが拡張カードだったのかわからなかった。というのも、実はそこまで印象が良かったわけでもないのですね。しかし今回、初めてドラフトルールでやってみて、考えを改めざるを得なかった。いや、正直このゲームをなめてました、申し訳ない。ドラフトを入れると誇張抜きで10倍くらい面白くなる。アートワーク偏重者にもシステム中毒者にも楽しめるゲームなんて、めったにない。これはもっと流行るべき、具体的にはどこかが日本語版を出すべきだ。


お腹がふくれたところで次の場所に移動。

キクラデス(Cyclades

Bruno CathalaとLudovic Maublancの2009年作品。BGGでは100位以内にランクしているし、各国語版もいろいろと出ているのに、日本ではほとんど話題になっていない。基本はところてん方式の競りでアクション+手番順を手に入れ、軍隊や船をつくったりそれを派遣して地域を支配したり建物を建てたりする。クラーケンだのメドゥーサだののクリーチャー(たくさんいる)特殊アクションが場を盛り上げ、実に単純で大雑把なダイスロール戦闘が場を盛り上げる。ピュアユーラーには全く向かないが、アメゲー好き、特にマルチ好き(最初は全員、相対的位置以外は同条件スタートだが)には受けるだろうと思う。2時間もあれば終わるというのが非常によろしくて、短時間でこれだけ濃密な政治的どろどろを楽しめるゲームはそんなにないんじゃないか。と書いていたらまたやりたくなってきたが、今日のメンツにミスターユーロがいらっしゃったので、同メンツ再戦はありえないだろう。

2012年5月27日日曜日

国分寺ゲーム会

やったゲームを記録するだけでも相当に大変なことがわかったのである。これは今週書こうなどと思っていると、あっという間に書かなければならないものが10を超え、もうどーでもいいやということになって、3ヶ月以上の時が流れたのである。どうせ半分くらいは備忘のためなので、今後は心を入れ替え、とんでもなく気が乗らない限りは簡素をモットーとするつもり。


エルダーサイン(Elder Sign


クトゥルー協力ダイスゲーム。要はアーカムホラーの簡易ダイスバージョン? アーカムホラーやったことないからよくわからないけど。基本はどこかのカード(場所)上に行き、そこに記されたタスクをクリアしていくというもの。タスクは出目条件で、当然出目改変アイテムや振り直しアイテムや特殊能力やらがいろいろとある。だけどしちめんどくさい処理は特になく、軽い印象。振るときに「◯◯出ろ!」と気合が入るのも良い。気合の入らないダイスゲーなんてダイスゲーじゃないのだ。

ただ問題は雰囲気で、私がクトゥルーに何ら思い入れがないのが原因だろうけど、探索や封印をしている感じは全くしなかった。ファンなら脳内で補完できるのだろうけれど。

今回出てきたエンシェント・ワンはハス太くん。残念ながら封印に失敗し、その後2ラウンドで全員死亡した。

新エリューシス(New Eleusis)


ロバート・アボットなる人(よく知らない)が1956年に考案した推理ゲーム。子が1枚ずつカードを出していき、それが親が秘密裏に決めている条件に則っていたらOK、間違っていたらペナルティ。法則発見というのが科学方法論に似ているぜ、ということらしい。今回やったのはマーティン・ガードナー(『奇妙な論理』ですね)が紹介したバージョン。詳しくはここを参照。

まずは子で参加したが、まーったくわからずに脱落。結局正解にたどり着いた者は誰一人としていなかった。この世界の住人がわれわれだけだったら、現代は無知と誤謬と迷信が支配していただろう。

次は親で参加。前回の条件の発展版を出してみたが、前回以上に誤答が続いて全員脱落。これは相当簡単な条件にしないとダメなようだ。いや全員の知能がどうのという可能性もないわけではないけれども。

フォレロッテ(Volle Lotte!)

プレスユアラック(キャントストップとかダイアモンドとかのアレ)なお手軽ダイスゲー。2連続で手番終了カードをひき、ダイスを振ることすらろくにできなかった。これは少しのっけないと辛いものがある。


エイリアンフロンティア(Alien Frontiers

ダイスワーカープレイスメント+特殊能力+直接攻撃。恐らくKickstarterで最高の作品の一つ。このゲームのせいでキックにはまるダメな人が増えた。日本ではあまり出回ってなくてもったいないので、HJあたりが扱うべきだと思う。


モンテカルロの夜(Banque Fatale


ステファン・ドーラ1997年作。コンポーネントが古き良き欧州という感じでかっこいい。上のゲームとは大違いである。ジャンル的には競りゲーだが、競りにつかうコインが各競売物の価値をコントロールするというのがミソで、むしろこちらの比重のほうが競り部分より大きい。そこを頭に入れておけば、そうとっつきづらいゲームではない。


オーレ!(Ole!

ヴォルフガング・パニング1996年作。ゴーアウト系カードゲーム(ウノみたいなの)。特殊カードはないが、スート・ランクの強弱関係を理解し、どう出したら良いかを飲み込むまで少し時間がかかる。だがひとたび慣れてしまえば、大富豪にも似た手札配分の妙が味わえる。なのでルール通りに規定点に達するまでやるべき。こういうゲームを1ディールだけやるってのは、麻雀を1局だけやるようなものだし。