去る7月27日土曜、東京大久保のゲームスペース柏木において、第5回柏木シティグリッドが開催された。これは今年の3月以来、月1で行われているアンドロイド・ネットランナーの大会であり、数少ない都内のネットランナー愛好者たちをこのゲームにつなぎとめているお祭りである。
私は最初から参加しており、第1回は5位、第2回も5位、第3回は1位、第4回は4位だった。素晴らしい好成績に見えるかも知れないが、毎回の参加者は8人から多くても12人程度だ。いや、日本語版のないカードテキストばりばりゲームなのだから、むしろ多いのかも知れないが。
この大会が都内近郊のネトランプレイヤー、というか私に与えてくれたものはとてつもないもので、恐らくこれがなかったら私はもうネットランナーをプレイしていないのではないかとすら思う。自分以上にハマっているひとたちとプレイできる環境がないと、持続のモチベーションはなかなか出てこないものだ。第1回に参加したときは全カードの3割程度しか把握していなかった私が、今ではBGGのStrategyフォーラムやStimhack等の著名ブログをフィード登録したり、OCTGNのライブ配信を視聴したり等けっこうな時間をこのゲームに注ぐようになったのも、この大会を契機に形成されたコミュニティのおかげ(なのか「せい」なのか)である。5月からは第2、第4金曜午後7時くらいから、ゲームスペース柏木で例会も行われるようになっているので、ふらっと遊びに来ていただければありがたい(事前申込とかは全く必要ないし、ルールがおぼつかなくても大丈夫。万が一の突発的中止の可能性や、より詳しい情報が欲しい方は、twitterid:komi_komiまで。基本的に集まってただ遊んでるだけだが)。
今回の参加者は8人(主催のみらこーさん含む)であった。メンツも固定化しつつあり、主催者曰く「いまが正念場。ここを凌げばきっといいことが!」だそうである。このままマイナーホビー内のマイナーゲームのマイナー会として寿命を全うするのかどうかは、たぶん日本語版の発売にかかってるんじゃないか。とはいってもTwitterを見ていると、プレイヤーは増加傾向にあるとは思うのだけれど。
で、今回の作戦である。日頃の付き合いから、私の知識や素養が他プレイヤーに優っているとはとても思えない。この場合奇をてらうことも考えられ、その方向のデッキを組みかけてはみたのだが、プレイングの基礎力がないのでやめにした。
ランナーはChaosTheory。OCTGNではいちばん勝率が低い可哀想な子だが、それはR&DInterface以前の話だし、リグをとっとと揃えてしまえば、クレジットは潤沢なので真っ当に戦える、はずだ。逆を言えば、早めに揃わないと手も足も出ないままに終わってしまう。なので最速でリグを揃え、しかも揃え中でもコーポにプレッシャーをかけ続けることを目指す。BGGではTurboRigなどと呼ばれている方法だ。
Deck Created with CardGameDB.com Android: Netrunner Deck Builder
Identity:
Chaos Theory: Wunderkind (Cyber Exodus)
Total Cards: (40)
Event: (16)
Test Run (Cyber Exodus) x3
Tinkering (Core) x2
Sure Gamble (Core) x3
Diesel (Core) x3
Indexing (Future Proof) x2
Stimhack (Core) x3 ■
Hardware: (8)
Dinosaurus (Cyber Exodus) x2
The Personal Touch (Core) x3
R&D Interface (Future Proof) x3
Program: (11)
Magnum Opus (Core) x3
Femme Fatale (Core) x1 ■
Corroder (Core) x2 ■■
Gordian Blade (Core) x2
Ninja (Core) x2 ■■
Sneakdoor Beta (Core) x1 ■■■
Resource: (5)
Personal Workshop (Cyber Exodus) x3
Public Sympathy (Cyber Exodus) x2
Influence Values Totals -
Anarch: 7
Criminal: 8
Shaper: 69
ブレイカーは2枚ずつで、TutorとしてTestRun、ドローでDieselx3。QualityTimeは迷ったが抜いた。Dinosaurusにどのブレイカーを乗せるかは相手次第で、Workshop上で調整するのが理想だが、そううまくいくかといえばそんなこともない。ふつうこういうデッキではNinjaは使われず、Femme2枚にCrypsis1枚あたりが主流で、Sentryはそこに任せる。SaurusFemmeは相当強力だ。またCodegateブレイカーをYogにすれば、SaurusYogでTollboothは3c突破になる。つまりこのデッキではSaurusがそこまで役に立っておらず、あくまでも補助でしかない。その代わり、序盤から1ターン複数ランが可能なブレイカー構成となっており、R&Dの守りが薄い間のIndexingを可能にしている。……とはいってもやはりちぐはぐな印象は否めない。
EconはMagnumOpusのみだが、PersonalWorkshop+Stimhackがあるので別段問題ではない……と思っていたがModdedを入れた方がSaurusやR&DInterfaceの使いやすさが増すだろう。WorkshopとModdedは相性が良くないので外したが、実戦の印象ではModdedがないとそもそもSaurusを出している暇がないほどだった。あとはKatiJonesも欲しいが、場所がない。
相手が予期していないだろう「びっくりカード」を抱えておくのはとても重要だ。理想では序盤、まだR&Dの守備が薄いうちにIndexing(+Tinkering)、アジェンダがリモートに入れられる直前にSneakdoorといったところ。Stimhackもびっくりカードの範疇だが、WorkshopでStimhackを入れていないわけがないのであまり効果はないだろう。ShaperでのSneakdoorはほぼ予期されないので、タイミングさえ合えばめちゃくちゃ効果的なのだが、MUの関係上、Opus+ブレイカー1枚(Saurusがあれば2枚)の段階で出さなければいけない。ただ中盤以降でも、アジェンダが抱えられている確信があって、その後またブレイカーを出せる手段があるなら、アンインストールしてでもやる価値はある。InsideJobも考えたがTestRunで釣ってこれるのは大きい。あ、もちろんTestRun+Femmeもそうだ。
Stimhackを最大3枚打つし、そうでなくても普通はPlascreteCarapaceを2枚は入れるだろう。しかし今回はJintekiがいるだろうとの予測があったので、PublicSympathyにした。終わってみてからの感想は、それでも鎧があった方がいいよね、というものだが、場所がない。
Tinkeringは最序盤のIndexingのおともには使えるが、序盤でブレイカーが揃う(はず)なのでそれ以降はそれほど出番がない。というのも突出して強いブレイカーがないので、わざわざTinkeringするよりは2c得てランした方が良いためだ。実際今回は一度も使うことがなく、どうも基本コンセプトと合っていない。PersonalTouchもそうで、明確につけたいのはNinjaやFemmeくらいで、3積みする意味が余りあるように思えない。
結論としては、まだまだちぐはぐだ、といったところだろう。
コーポはWeyland:Building a BetterWorld。通称「強い方のWeyland」。戦術はOversightAIを駆使してのBigIce作戦で、まあ、普通だ。当然ScorchedEarthでの焼き殺しがオルタナティブに入る。タグ手段を充実させての焼き殺し狙いオンリーもあるが、鎧を着るのが普通になったことから、主流ではないだろう。そこをメタとしてBioticLabourを入れてのFastAdvanceなんてのもあるが、怖いからやめておいた。
Deck Created with CardGameDB.com Android: Netrunner Deck Builder
Identity:
Weyland Consortium: Building a Better World (Core)
Total Cards: (49)
Agenda: (11)
Project Atlas (What Lies Ahead) x3
Government Contracts (A Study in Static) x3
Hostile Takeover (Core) x3
Posted Bounty (Core) x2
Asset: (2)
Snare! (Core) x2 ■■
ICE: (19)
Archer (Core) x3
Wall of Static (Core) x2
Enigma (Core) x2
Ice Wall (Core) x3
Caduceus (What Lies Ahead) x2
Chum (Core) x2 ■
Tollbooth (Core) x1 ■■
Hadrian's Wall (Core) x2
Shadow (Core) x2
Operation: (17)
Green Level Clearance (A Study in Static) x3 ■
Hedge Fund (Core) x3
Oversight AI (A Study in Static) x3
Scorched Earth (Core) x3
Beanstalk Royalties (Core) x3
SEA Source (Core) x2 ■■
Upgrade: (0)
Total Agenda Points: 20
Influence Values Totals -
Haas-Bioroid: 3
Jinteki: 6
NBN: 6
The Weyland Consortium: 42
とりたてて言うことはない。セントラルを守ったらとっととリモートをOAIでつくり、ProjectAtlasを2オーバーさせての得点が理想。CorporateTroubleshooter(Archerとセットでめちゃくちゃ強いし、せっかくChumを入れたのだし)とAshを入れたかったがSnareを優先した。でもICEはもっと調整するべきだろう。
さて、参加者は8人なので、スイスドロー3回戦で行われた。1試合は陣営を交代しての2戦からなり、単純に1戦勝ちで2点になる。なので3回戦最大12点。同点の場合は陣営別の得点を比較し、より弱かった方を比べる。たとえば8点どうしで片方がコーポで6点ランナーで2点、もう1人が4点ずつだったときは後者の勝ちだ。
1回戦
みらこーさんと。シティグリッドの主催者であり、このゲームの和訳シール製作者でもあり、プレイヤーとしてはマジで足を向けて寝られない存在である。
まずコーポ側。相手はChaosたん。まさかChaosがかぶるとは。相手がリグを揃えるのに手間取ってる間に、リモートで3、2、2と得点して勝ち。
ランナー側。相手はJinteki:ReplicatingPerfection。よくわからない勘が冴えて、トラップを踏み抜かず、しかしアジェンダは踏む。Interface2枚で攻めるというかなりの暴挙をやり、FetalAIを2枚目で得点して、次がSnareだったら死んでいたがFalseLeadで勝ち。今思うとなんで手札4枚で攻めてるんだろう。
4点(合計4点)
2回戦
さぼてんさんと。大会の上位常連であり、例会の主催者(と言っていいのかな)。
コーポ側。相手はNoise。SeaSource+Scorchで勝ち。
ランナー側。相手はWeyland:BaBW。早めにリグを揃えられ、1度Archerに殴られるも復帰が早くいったおかげで勝利。
4点(合計8点)
3回戦
事実上の決勝戦の相手はるりっるさん。これまでのシティグリッド4回中3回優勝。どう見ても最強。しかし累計ポイントは6点なので、1勝1敗でも優勝なのは大きい。
ランナー側。これは面白かった(というか酷かった)。R&DのICEがIceWallだったので、2ターン目でTestRun→Corroder→IndexingとやったらPriorityRequisition x2とPostedBounty。当然PBを3枚目に沈め、3、4クリックで6点をとる。次ターンはクレジットをため、4ターン目にCorroder→R&Dで終わり。5分で終了。いや酷い。
コーポ側。相手はGabriel。優勝確定で気が抜けたにしても、プレイングが酷かった。Gabe相手なのにセントラルの守りが薄すぎかつリモートをつくるのが早すぎ。BankJob2回とSiphon2回くらうとかもう駄目すぎて死亡としか言えない。
2点(合計10点)
普通こういう記事はレポートがメインになるのだろうが、酷いことにもうほとんど忘れているため、こんなに短いものになってしまった。メモをとるか、当日に書かないと私の脳では駄目である。
次回の柏木シティグリッドは9月1日の予定。前述のとおりメンツがマンネリ気味。参加できる方はぜひお越しください。いきなり大会はちょっと、という方は例会にどうぞ。お待ちしております。
2013年7月29日月曜日
OCTGNでAndroid:Netrunner 【導入編】改訂版
4月に書いたOCTGNでNetrunner導入編だが、その後のアップデートにより導入方法が変わってしまい、このやり方ではインストールできなくなっていた。非常に遅れてしまった(記事通りにやってもできない→あきらめた、という方が結構いたと思われる。申し訳ない)のだが、新しい方法を紹介する。
OCTGNのダウンロード→起動→アカウント登録とログインまでは前回と変わらない。
そうしたらGames Managerタブへいき、Add Game Feedボタンを押す。すると以下のようなボックスが現れるので、Nameに適当な名前を、Feed Url にhttps://www.myget.org/f/octgngamedirectory と入力してAddを押す。
すると画面左のFeed欄にさきほどNameで入力した項目ができているはずなので、それをクリック。ゲームがずらっと出てくるので、そこからAndroid:Netrunnerを選択する(他にもMage Warsとかいろいろある)。
基本的にはこれで終わりだ。これまでと違ってゲームモジュールが更新されるたびにインストールし直す必要はなく、自動更新されるようになっている。カードパックの追加も一応は必要ない。プロキシカードによってプレイが可能になっている。
ただしプロキシカードはカード絵が表示されないし、この環境でプレイしたことがないのでわからないのだが、恐らくカードテキストもなく、わかるのはカード名だけだ。これではさすがに厳しいので、カードパックを導入しよう。
ここへ行き、すべてのセットをダウンロードする。OCTGNのGames ManagerタブからAdd Image Packsボタンを押し、さきほどダウンロードしたo8cファイルをすべて追加する。
これで完了なのだが、発売後半年を経過していないパックはカードテキストにぼかしがかかっている。テキストが欲しければ、o8cファイルはzipファイルなので解凍し、階層を下ったCardsフォルダ内の画像ファイルを置きかえれば良い。もちろん日本語版カードをつくることも可能だ。
これでプレイの準備はOK。【プレイ編】に続くよ。
OCTGNのダウンロード→起動→アカウント登録とログインまでは前回と変わらない。
そうしたらGames Managerタブへいき、Add Game Feedボタンを押す。すると以下のようなボックスが現れるので、Nameに適当な名前を、Feed Url にhttps://www.myget.org/f/octgngamedirectory と入力してAddを押す。
すると画面左のFeed欄にさきほどNameで入力した項目ができているはずなので、それをクリック。ゲームがずらっと出てくるので、そこからAndroid:Netrunnerを選択する(他にもMage Warsとかいろいろある)。
基本的にはこれで終わりだ。これまでと違ってゲームモジュールが更新されるたびにインストールし直す必要はなく、自動更新されるようになっている。カードパックの追加も一応は必要ない。プロキシカードによってプレイが可能になっている。
ただしプロキシカードはカード絵が表示されないし、この環境でプレイしたことがないのでわからないのだが、恐らくカードテキストもなく、わかるのはカード名だけだ。これではさすがに厳しいので、カードパックを導入しよう。
ここへ行き、すべてのセットをダウンロードする。OCTGNのGames ManagerタブからAdd Image Packsボタンを押し、さきほどダウンロードしたo8cファイルをすべて追加する。
これで完了なのだが、発売後半年を経過していないパックはカードテキストにぼかしがかかっている。テキストが欲しければ、o8cファイルはzipファイルなので解凍し、階層を下ったCardsフォルダ内の画像ファイルを置きかえれば良い。もちろん日本語版カードをつくることも可能だ。
これでプレイの準備はOK。【プレイ編】に続くよ。
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