2012年10月28日日曜日

テラミスティカ会

エッセンシュピールから帰国したのが当日の午後1時。いったん帰宅した後、テラミスティカをやるためだけに集まる人たち。どう見てもあまりおりこうではない。



テラミスティカ(Terra Mystica



シミズさん、タナカマさんと。エッセン2012、スカウトアクション2位の話題作。デザイナーはJens Drogemuller(ツァヴァンドールの笏の人)とHelge Ostertag(カイヴァイの人)。パブリッシャーはこのゲームのために設立されたFeuerland Spieleで、創立者のFrank Heerenはウヴェ・ローゼンベルクの旧友。それでだろうが、ウヴェ様がディベロプメントを担当している(たぶん)。

このゲームを一言で説明するのは難しい。なにしろいろいろな要素がこれでもかと詰まっていて、しかもその要素のひとつひとつが実に憎いしかけに満ちていて、びっくりおもちゃ箱である。プレイヤーがさまざまな種族を担当し、生息域を拡大していくというのが恐らくメインテーマだが、種族によってはその陣取り部分にあまりリソースを割かない方が勝利が近くなるので、「そういうゲームです」とも言い難い。

1つだけはっきりと言えるのは、これはまぎれもない重量級ユーロゲームだということだ。複雑さの袋小路へと突き進むユーロゲームの、最先端の果実である。さまざまな仕掛け、無数の勝利点獲得法、とりうるアクションの数はそれほど多くはないが、それでも少なくはない。

いくら洒落た仕掛けでも多すぎれば見通しは悪くなり、得点機会が多岐にわたると「なにをやっても点になる決断レスゲー」になる危険がある。つまりなんだかよくわからなくなる。このゲームの凄いところは、その危険を回避し、多すぎる要素をしっかりとまとめあげているところだ。

そのため、担当する種族ごとに能力が相当に異なっている。多数用意された得点機会のうちから、種族別に勝利へのルートをある程度限定することで見通しをよくしている。得点機会のほとんどがゲーム終了時ではなくゲーム中にあり、個々の得点は少量なので、なにをしたら良いか手につかないところがあるのだが、種族特性から自然と絞り込めるようになっている。これをシステムによる強制的なものとして好まない人もいるだろうが、そもそも全体の得点機会の多さがこれと噛み合うようにつくられたものだろう。アメゲーなどの非対称陣営ものに似たようなものはあるが、ユーロでここまで徹底しているものはそうはないと思う。

極端に言ってしまえば、種族ごとにかなり別なことをしている感がある。それだとソロプレイ感が強くなるのかと言えば、全くそんなことはない。あるアクションに必要なパワーをためるには「自分の建物に隣接した場所に、他人に建物を建ててもらう」必要があるし、カルトトラックは全員の競争であり、これに少しは絡んでいないと勝てない。しかしカルトトラックの進め方は一様ではないのだ。


というのはゲーム終了時の感想で、実際のプレイは疲労困憊だったこともあって無駄なアクションをけっこうとってしまって無残なものだった。勝ったのは同じくへろへろだったはずのタナカマさん。魔女を見事に操縦していたるところに館を築き、街をつくっては点をもらっていた。


これは一本筋の通った「キレ味のよい」ゲームではない。洒落たパーツをこれでもかと投入し、ともすれば野暮になりそうなところを、その一歩手前で見事にまとめあげた、なんだろう、鍋焼きうどんみたいなゲームだ。良い例えが思いつかなかったが、とにかく、一度やってみる価値は十分にあるし、一度やったら、はやく他の種族でやりたくなるだろう。






クー(Coup


イギリスの家族経営小パブリッシャーのゲームで、エッセン2012出展品。ラブレターにお金と正体隠匿を加えた感じ。対応人数が広いのだが、少人数でもカードを抜いたりしないので、いろいろアレンジして遊んでみた。粗さも目立つが、軽く遊ぶには実に良い。笑いも絶えない。

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