2013年7月29日月曜日

第5回柏木シティグリッド

去る7月27日土曜、東京大久保のゲームスペース柏木において、第5回柏木シティグリッドが開催された。これは今年の3月以来、月1で行われているアンドロイド・ネットランナーの大会であり、数少ない都内のネットランナー愛好者たちをこのゲームにつなぎとめているお祭りである。

私は最初から参加しており、第1回は5位、第2回も5位、第3回は1位、第4回は4位だった。素晴らしい好成績に見えるかも知れないが、毎回の参加者は8人から多くても12人程度だ。いや、日本語版のないカードテキストばりばりゲームなのだから、むしろ多いのかも知れないが。

この大会が都内近郊のネトランプレイヤー、というか私に与えてくれたものはとてつもないもので、恐らくこれがなかったら私はもうネットランナーをプレイしていないのではないかとすら思う。自分以上にハマっているひとたちとプレイできる環境がないと、持続のモチベーションはなかなか出てこないものだ。第1回に参加したときは全カードの3割程度しか把握していなかった私が、今ではBGGのStrategyフォーラムやStimhack等の著名ブログをフィード登録したり、OCTGNのライブ配信を視聴したり等けっこうな時間をこのゲームに注ぐようになったのも、この大会を契機に形成されたコミュニティのおかげ(なのか「せい」なのか)である。5月からは第2、第4金曜午後7時くらいから、ゲームスペース柏木で例会も行われるようになっているので、ふらっと遊びに来ていただければありがたい(事前申込とかは全く必要ないし、ルールがおぼつかなくても大丈夫。万が一の突発的中止の可能性や、より詳しい情報が欲しい方は、twitterid:komi_komiまで。基本的に集まってただ遊んでるだけだが)。



今回の参加者は8人(主催のみらこーさん含む)であった。メンツも固定化しつつあり、主催者曰く「いまが正念場。ここを凌げばきっといいことが!」だそうである。このままマイナーホビー内のマイナーゲームのマイナー会として寿命を全うするのかどうかは、たぶん日本語版の発売にかかってるんじゃないか。とはいってもTwitterを見ていると、プレイヤーは増加傾向にあるとは思うのだけれど。

で、今回の作戦である。日頃の付き合いから、私の知識や素養が他プレイヤーに優っているとはとても思えない。この場合奇をてらうことも考えられ、その方向のデッキを組みかけてはみたのだが、プレイングの基礎力がないのでやめにした。


ランナーはChaosTheory。OCTGNではいちばん勝率が低い可哀想な子だが、それはR&DInterface以前の話だし、リグをとっとと揃えてしまえば、クレジットは潤沢なので真っ当に戦える、はずだ。逆を言えば、早めに揃わないと手も足も出ないままに終わってしまう。なので最速でリグを揃え、しかも揃え中でもコーポにプレッシャーをかけ続けることを目指す。BGGではTurboRigなどと呼ばれている方法だ。

Deck Created with CardGameDB.com Android: Netrunner Deck Builder

Identity:

Chaos Theory: Wunderkind (Cyber Exodus)

Total Cards: (40)

Event: (16)

Test Run (Cyber Exodus) x3

Tinkering (Core) x2

Sure Gamble (Core) x3

Diesel (Core) x3

Indexing (Future Proof) x2

Stimhack (Core) x3 ■

Hardware: (8)

Dinosaurus (Cyber Exodus) x2

The Personal Touch (Core) x3

R&D Interface (Future Proof) x3

Program: (11)

Magnum Opus (Core) x3

Femme Fatale (Core) x1 ■

Corroder (Core) x2 ■■

Gordian Blade (Core) x2

Ninja (Core) x2 ■■

Sneakdoor Beta (Core) x1 ■■■

Resource: (5)

Personal Workshop (Cyber Exodus) x3

Public Sympathy (Cyber Exodus) x2

Influence Values Totals -

Anarch: 7

Criminal: 8

Shaper: 69

ブレイカーは2枚ずつで、TutorとしてTestRun、ドローでDieselx3。QualityTimeは迷ったが抜いた。Dinosaurusにどのブレイカーを乗せるかは相手次第で、Workshop上で調整するのが理想だが、そううまくいくかといえばそんなこともない。ふつうこういうデッキではNinjaは使われず、Femme2枚にCrypsis1枚あたりが主流で、Sentryはそこに任せる。SaurusFemmeは相当強力だ。またCodegateブレイカーをYogにすれば、SaurusYogでTollboothは3c突破になる。つまりこのデッキではSaurusがそこまで役に立っておらず、あくまでも補助でしかない。その代わり、序盤から1ターン複数ランが可能なブレイカー構成となっており、R&Dの守りが薄い間のIndexingを可能にしている。……とはいってもやはりちぐはぐな印象は否めない。

EconはMagnumOpusのみだが、PersonalWorkshop+Stimhackがあるので別段問題ではない……と思っていたがModdedを入れた方がSaurusやR&DInterfaceの使いやすさが増すだろう。WorkshopとModdedは相性が良くないので外したが、実戦の印象ではModdedがないとそもそもSaurusを出している暇がないほどだった。あとはKatiJonesも欲しいが、場所がない。

相手が予期していないだろう「びっくりカード」を抱えておくのはとても重要だ。理想では序盤、まだR&Dの守備が薄いうちにIndexing(+Tinkering)、アジェンダがリモートに入れられる直前にSneakdoorといったところ。Stimhackもびっくりカードの範疇だが、WorkshopでStimhackを入れていないわけがないのであまり効果はないだろう。ShaperでのSneakdoorはほぼ予期されないので、タイミングさえ合えばめちゃくちゃ効果的なのだが、MUの関係上、Opus+ブレイカー1枚(Saurusがあれば2枚)の段階で出さなければいけない。ただ中盤以降でも、アジェンダが抱えられている確信があって、その後またブレイカーを出せる手段があるなら、アンインストールしてでもやる価値はある。InsideJobも考えたがTestRunで釣ってこれるのは大きい。あ、もちろんTestRun+Femmeもそうだ。

Stimhackを最大3枚打つし、そうでなくても普通はPlascreteCarapaceを2枚は入れるだろう。しかし今回はJintekiがいるだろうとの予測があったので、PublicSympathyにした。終わってみてからの感想は、それでも鎧があった方がいいよね、というものだが、場所がない。

Tinkeringは最序盤のIndexingのおともには使えるが、序盤でブレイカーが揃う(はず)なのでそれ以降はそれほど出番がない。というのも突出して強いブレイカーがないので、わざわざTinkeringするよりは2c得てランした方が良いためだ。実際今回は一度も使うことがなく、どうも基本コンセプトと合っていない。PersonalTouchもそうで、明確につけたいのはNinjaやFemmeくらいで、3積みする意味が余りあるように思えない。

結論としては、まだまだちぐはぐだ、といったところだろう。



コーポはWeyland:Building a BetterWorld。通称「強い方のWeyland」。戦術はOversightAIを駆使してのBigIce作戦で、まあ、普通だ。当然ScorchedEarthでの焼き殺しがオルタナティブに入る。タグ手段を充実させての焼き殺し狙いオンリーもあるが、鎧を着るのが普通になったことから、主流ではないだろう。そこをメタとしてBioticLabourを入れてのFastAdvanceなんてのもあるが、怖いからやめておいた。

Deck Created with CardGameDB.com Android: Netrunner Deck Builder

Identity:

Weyland Consortium: Building a Better World (Core)

Total Cards: (49)

Agenda: (11)

Project Atlas (What Lies Ahead) x3

Government Contracts (A Study in Static) x3

Hostile Takeover (Core) x3

Posted Bounty (Core) x2

Asset: (2)

Snare! (Core) x2 ■■

ICE: (19)

Archer (Core) x3

Wall of Static (Core) x2

Enigma (Core) x2

Ice Wall (Core) x3

Caduceus (What Lies Ahead) x2

Chum (Core) x2 ■

Tollbooth (Core) x1 ■■

Hadrian's Wall (Core) x2

Shadow (Core) x2

Operation: (17)

Green Level Clearance (A Study in Static) x3 ■

Hedge Fund (Core) x3

Oversight AI (A Study in Static) x3

Scorched Earth (Core) x3

Beanstalk Royalties (Core) x3

SEA Source (Core) x2 ■■

Upgrade: (0)

Total Agenda Points: 20

Influence Values Totals -

Haas-Bioroid: 3

Jinteki: 6

NBN: 6

The Weyland Consortium: 42

とりたてて言うことはない。セントラルを守ったらとっととリモートをOAIでつくり、ProjectAtlasを2オーバーさせての得点が理想。CorporateTroubleshooter(Archerとセットでめちゃくちゃ強いし、せっかくChumを入れたのだし)とAshを入れたかったがSnareを優先した。でもICEはもっと調整するべきだろう。


さて、参加者は8人なので、スイスドロー3回戦で行われた。1試合は陣営を交代しての2戦からなり、単純に1戦勝ちで2点になる。なので3回戦最大12点。同点の場合は陣営別の得点を比較し、より弱かった方を比べる。たとえば8点どうしで片方がコーポで6点ランナーで2点、もう1人が4点ずつだったときは後者の勝ちだ。


1回戦
みらこーさんと。シティグリッドの主催者であり、このゲームの和訳シール製作者でもあり、プレイヤーとしてはマジで足を向けて寝られない存在である。

まずコーポ側。相手はChaosたん。まさかChaosがかぶるとは。相手がリグを揃えるのに手間取ってる間に、リモートで3、2、2と得点して勝ち。
ランナー側。相手はJinteki:ReplicatingPerfection。よくわからない勘が冴えて、トラップを踏み抜かず、しかしアジェンダは踏む。Interface2枚で攻めるというかなりの暴挙をやり、FetalAIを2枚目で得点して、次がSnareだったら死んでいたがFalseLeadで勝ち。今思うとなんで手札4枚で攻めてるんだろう。
4点(合計4点)

2回戦
さぼてんさんと。大会の上位常連であり、例会の主催者(と言っていいのかな)。

コーポ側。相手はNoise。SeaSource+Scorchで勝ち。
ランナー側。相手はWeyland:BaBW。早めにリグを揃えられ、1度Archerに殴られるも復帰が早くいったおかげで勝利。
4点(合計8点)

3回戦
事実上の決勝戦の相手はるりっるさん。これまでのシティグリッド4回中3回優勝。どう見ても最強。しかし累計ポイントは6点なので、1勝1敗でも優勝なのは大きい。

ランナー側。これは面白かった(というか酷かった)。R&DのICEがIceWallだったので、2ターン目でTestRun→Corroder→IndexingとやったらPriorityRequisition x2とPostedBounty。当然PBを3枚目に沈め、3、4クリックで6点をとる。次ターンはクレジットをため、4ターン目にCorroder→R&Dで終わり。5分で終了。いや酷い。

コーポ側。相手はGabriel。優勝確定で気が抜けたにしても、プレイングが酷かった。Gabe相手なのにセントラルの守りが薄すぎかつリモートをつくるのが早すぎ。BankJob2回とSiphon2回くらうとかもう駄目すぎて死亡としか言えない。
2点(合計10点)


普通こういう記事はレポートがメインになるのだろうが、酷いことにもうほとんど忘れているため、こんなに短いものになってしまった。メモをとるか、当日に書かないと私の脳では駄目である。



次回の柏木シティグリッドは9月1日の予定。前述のとおりメンツがマンネリ気味。参加できる方はぜひお越しください。いきなり大会はちょっと、という方は例会にどうぞ。お待ちしております。

OCTGNでAndroid:Netrunner 【導入編】改訂版

4月に書いたOCTGNでNetrunner導入編だが、その後のアップデートにより導入方法が変わってしまい、このやり方ではインストールできなくなっていた。非常に遅れてしまった(記事通りにやってもできない→あきらめた、という方が結構いたと思われる。申し訳ない)のだが、新しい方法を紹介する。

OCTGNのダウンロード→起動→アカウント登録とログインまでは前回と変わらない。

そうしたらGames Managerタブへいき、Add Game Feedボタンを押す。すると以下のようなボックスが現れるので、Nameに適当な名前を、Feed Url にhttps://www.myget.org/f/octgngamedirectory と入力してAddを押す




すると画面左のFeed欄にさきほどNameで入力した項目ができているはずなので、それをクリック。ゲームがずらっと出てくるので、そこからAndroid:Netrunnerを選択する(他にもMage Warsとかいろいろある)。



基本的にはこれで終わりだ。これまでと違ってゲームモジュールが更新されるたびにインストールし直す必要はなく、自動更新されるようになっている。カードパックの追加も一応は必要ない。プロキシカードによってプレイが可能になっている。

ただしプロキシカードはカード絵が表示されないし、この環境でプレイしたことがないのでわからないのだが、恐らくカードテキストもなく、わかるのはカード名だけだ。これではさすがに厳しいので、カードパックを導入しよう。

ここへ行き、すべてのセットをダウンロードする。OCTGNのGames ManagerタブからAdd Image Packsボタンを押し、さきほどダウンロードしたo8cファイルをすべて追加する。

これで完了なのだが、発売後半年を経過していないパックはカードテキストにぼかしがかかっている。テキストが欲しければ、o8cファイルはzipファイルなので解凍し、階層を下ったCardsフォルダ内の画像ファイルを置きかえれば良い。もちろん日本語版カードをつくることも可能だ。

これでプレイの準備はOK。【プレイ編】に続くよ。

2013年4月18日木曜日

Full Metal Planete日本語ルール

参考
http://boardgamegeek.com/filepage/2249/full-metal-planet-english-rules-doc
http://fullmetalplanete.com/
http://www.fullmetalgalaxy.com/
http://fullmetalplanete.free.fr/fullmetalplanet.html


1.ゲームの目的


1.1 目的
プレイヤー中で最大量の鉱石とユニットを持って、フルメタルプラネットを去ること。

1.2 ゲームの概要
プレイヤーの母艦は鉱石採掘のためフルメタルプラネットに着陸する。この採掘は21もしくは25ターン続く。各プレイヤーは手番を順々にプレイする。プレイはアクションポイント制。

◯ゲーム中にできること
・輸送ユニットを用いて鉱石をとり、母艦に運ぶ。
・鉱石を原料に、風見鶏(ユニット名)を用いて追加ユニットを作成する。
・攻撃ユニットを用いて敵ユニットを破壊/捕獲する。
・マップ上の戦略重要地点を抑え、敵の邪魔をする。
・敵の母艦を捕獲してユニットを増加させる。またボーナスアクションポイントを得る。
・おっかない敵と不戦条約を結ぶ[強制力はない。要は交渉できるということ]。

うまくやれば[途中敗退しなければ]、21か25ターン目(各自が選択)に母艦は離陸する。母艦にある各ユニットが1勝利点、各鉱石が2勝利点。最大勝利点プレイヤーがゲームに勝利する。


2.プラネット


2.1 マップ
マップはヘクス状のマスで構成されている。
茶色は陸地、灰色は山、青は海、茶色に青点は湿地、青に茶点は浅瀬。
各ヘクスには1つのもの(ユニット、鉱石)しか入れない(移動を妨害する)。橋は例外。

http://fullmetalplanete.com/

2.2 潮
各ゲームターンで潮の干満が変化しうる。満潮、通常、干潮。
・通常のとき、浅瀬は海、湿地は陸地として扱う。
・満潮のとき、浅瀬と湿地は海として扱う。
・干潮のとき、浅瀬と湿地は陸地として扱う。

潮の変化により地形が変わり、陸上ユニットが海上にいる場合は沈み、水上ユニットが陸上にいる場合は座礁する。どちらもそのターンは無機能化され、なにも行えず、そのヘクスに固定される。しかし捕獲されたり破壊されたりはする。この状態は地形が自身にあったものに戻るまで続く。

沈んだり座礁していても、ヘクスは占有する。


2.3 鉱石
◯配置
鉱石はマップ全体に配置されている。母艦に積み込むことで勝利点となるし、追加のユニット作成に使うこともできる。
鉱石はヘクスを占有するので、移動の障害物となる[橋以外のすべてのユニットはヘクスを占有する]。

◯使用法
鉱石を扱ったアクションは6つ。
・母艦か輸送ユニットに積み込む。
・輸送ユニットをつかって輸送する。
・輸送ユニットから排出する。
・輸送ユニットから他輸送ユニットまたは母艦に受け渡す。
・風見鶏でユニットにする。
・攻撃ユニットで破壊する。

3.アクションポイント(AP)


3.1 配分
ターン1とターン2:なし。
ターン3:5点
ターン4:10点
以下15点。この15点が基本点。
追加母艦(敵の母艦を捕獲する)ごとに+5点ボーナス。

3.2 保存
APを残しておくこともできる。これは次以降の手番で使用できる。
保存できるAPは5点か10点で、最大合計10点。端数は切り捨て。保存した5APごとにキューブ1個をとって記録する。

3.3 アクションコスト
・移動:1ヘクスごとに1AP[母艦は移動不可]
・母艦の出入り(母艦への/からの移動):1AP
・積み込み、排出、受け渡し:1AP
・(風見鶏に積載済みの)鉱石をユニット化:1AP
・ユニットもしくは鉱石を破壊:2AP
・砲塔の修理(捕獲した砲塔のみ):2AP
・母艦の離陸:1~4AP(損傷状態による)

荷船は2ヘクスを占有する唯一のユニット。新たなヘクスに荷船の一部が乗るたびに1AP。
[このゲームは向きの概念がないので、向きを変えるのにAPはいらない]。
荷船を母艦に入れるには、どちらかのヘクスが隣接していれば良い。1AP。

3.4 時間
各手番は3分以内に行わなければならない。移動中に制限時間を超えてしまったら移動できない。攻撃中だったら、その攻撃は実施される。
手番プレイヤーの手番が終了したら、ただちに次のプレイヤーの手番となる。
3分ルールには厳格に従わなければならない。このルールのもたらす混乱が、フルメタルプラネットの特性のひとつなのだ。

4.ユニット


・攻撃ユニット:戦車(陸上)、重戦車(陸上)、ボート(水上)。
・輸送ユニット:カニ(陸上)、風見鶏(陸上)、荷船(水上)。
・橋
・母艦(陸上。移動不可)。

下図は左上から戦車、重戦車、カニ、風見鶏、荷船、母艦、ボート、橋、HQ(母艦を水平に見た図)


5.輸送


5.1 カニと荷船
輸送ユニットには2種類ある。
・カニは陸上ユニットで、積載量2スロット。
・荷船は水上ユニットで、積載量4スロット。

カニは以下のユニットを積載可能:重戦車(1スロット)、戦車(1)、橋(1)、鉱石(1)。
荷船は上に加え、カニ(2スロット)、風見鶏(2)も積載可能。
[荷船に重戦車を積載したカニを乗せたら、それで3スロット分]

5.2 積み込みと排出
◯積み込み
隣接ヘクスにあるものを積み込める。
敵の射程圏内にあるものは積み込めない。
積み込まれるユニットは座礁したり沈んでいてはならない(橋はこの状態にならない)。

積載されたユニットは無機能化状態となる。
積載されたユニット間、および積載しているユニットとの間の積載物移動にAPはかからない(要はユニット排出時にAP消費せず、そのユニットにものを載せてよい)。
積載に要するAPは1。

◯排出
隣接ヘクスに排出できる。
排出先ヘクスは空白か、橋だけがあるか、積載可能な他輸送ユニットがいるか、のどれかでなければならない。
橋の上に橋を排出できない。
水没したヘクス(浅瀬か湿地)にユニットを排出できるが、そのユニットはただちに沈む。
排出先ヘクスは敵の射程圏内であってはならない。
排出(もしくは受け渡し)に要するAPは1。

6.風見鶏


6.1 ユニット作成
風見鶏で新たなユニットを作成できる。
作成できるユニットは戦車、カニ、橋。[重戦車や荷船、風見鶏は作れないことに注意。これを増やすには敵のそれを捕獲するしかない]
積載済みの鉱石を消費し、選択したユニットを共通ストックから取って隣接ヘクスに配置する。
1体の風見鶏の作成アクション回数は1手番に2回まで。ただしカニと橋は1手番にそれぞれ1つしか作れない。
作成したユニットを敵の射程圏内に配置することは不可[敵の射程圏内には、攻撃時を除きこちらから入ることは不可能]。
作成に要するAPは1。

[共通ストックにあるユニット数は有限。また破壊されたユニットはゲームから除去]。


6.2 天気予報
潮状態の変化(各ターンの最初)の後、機能している風見鶏の所持者は次ターンの潮状態を知ることができる(次の潮カードを見られる)。

7.橋


橋が置かれたヘクスは陸地扱いとなる(よって水上ユニットの移動を妨げる)。
橋は輸送ユニットによりヘクスから取り上げ、積載することができる。
橋は置かれた瞬間から中立ユニットとなる。取り上げるのに捕獲する必要はない。
橋は陸地からつながるように置いていかなければならない。
敵の射程圏内には橋を配置できない。

取り上げられたり、破壊されたり、または潮によって陸地から分断された橋はすべて破壊され、ゲームから除外される。

破壊された橋の上にあったものも、すべて破壊される。

8.攻撃


攻撃ユニットは母艦の本体を除くすべてのもの(ユニットおよび鉱石)を破壊できる(母艦の砲塔は破壊可能)。また相手ユニットを捕獲したり、射程圏を形成して敵を寄せ付けなくできる。

8.1 破壊
破壊には2体の攻撃ユニットによる連続攻撃(ゲーム内では同時攻撃扱い)が必要。1体だけの攻撃ユニットでは破壊も防御(射程圏の形成)も行えない。[1体だけでの攻撃は何の意味もない]
破壊のAPコストは2。1回の攻撃で1消費なので。

砲塔、戦車、ボートの射程は2ヘクス。重戦車は3ヘクス。山にいる戦車の射程は3ヘクス。
目標との間にあるいかなるものも遮蔽物とはならない。

重戦車は山に入れない。積載状態でも不可。
手番終了時に自分の戦車が隣接しており、どちらも山にいる状態にはできない[ヴァリアント:できないかわりに次手番のAPが-5点]。

各攻撃ユニットは1手番に2回までしか攻撃できない(弾薬消費)。攻撃と攻撃の間に他アクションを行ってよい。
自陣営ユニットの破壊は行えない。
破壊されたユニットのあるヘクス上のすべてのものが破壊される(橋、積載物)。

荷船(2ヘクスを占有)破壊には、どちらかのヘクスを同時攻撃する。

http://fullmetalplanete.com/

8.2 射程圏
「射程圏」とは、「同じプレイヤーの複数の攻撃ユニットの射程内にあるヘクス」を言う。
[攻撃時以外、このヘクスに侵入することは不可。またこのヘクス内のものを積載したり、このヘクスに排出したりすることは不可]

http://fullmetalplanete.com/

8.3 射程圏内への攻撃
通常の破壊と同じく、2体の攻撃ユニットで同時攻撃を行う。
その際、攻撃を行う1体目は射程圏内の外にいて、
2体目が射程圏内に入ると同時に攻撃を行う。
この攻撃により、2体目は射程圏から外れなければならない。言い換えれば、そのような攻撃を行えない限り、射程圏内に侵入できない。

2体目は(排出等ではなく)移動によって敵射程圏内に侵入しなければならない。

下図ではボートが1体目、戦車が2体目。



8.4 捕獲
同一プレイヤーの2体の攻撃ユニットが敵ユニットに隣接しているとき、そのユニットを捕獲できる。捕獲したユニットは自陣営のものとなる(色を変更する)。

捕獲に要するAPは1。

このとき、捕獲を行うユニットと目標ユニットは敵の射程圏外でなければならない。なので自分の輸送ユニットを自分の射程圏内に置くことで、捕獲を妨げることができる。

下図ではボート2隻によって敵戦車を捕獲している。



色違いのユニット2体による捕獲(敵の母艦を捕獲した場合のみ起こりうる)は、捕獲したプレイヤーがそのユニットの色を選択する。

8.5 無機能化
手番プレイヤーの射程圏内に敵ユニットがあり、破壊も捕獲もされなかった場合、そのユニットは無機能化される(コマを横倒しにすることによって示す)。

手番開始時に自分のユニットが上記の無機能化を受けている場合、APを消費して敵射程圏内の自ユニットをそれぞれ1ヘクスだけ移動させることができる。ただし移動することによって射程圏外に出られる場合のみ。出られれば無機能化は解除される。

射程圏外に出られなかった/出なかったユニットは無機能化されたままで、その手番では何も行えなくなる。射程圏の形成も行えない(水没や座礁、積載による無機能化の場合も射程圏の形成は行えない)。これを解除するには敵攻撃ユニットを破壊し、射程圏を縮減させる。

手番中でも手番外でも、敵射程圏から外れた瞬間から無機能化は解除される。


砲塔はたとえ射程圏内にあっても無機能化できない。

http://eric.alber.free.fr/xmedia/fmp/regle.pdf 
および 
http://guide.fullmetalgalaxy.com/guide/rules-deviations?language=fr
を参照。
http://fullmetalplanete.com/FMP_Rules_08.html#Destructeurs
にある2段階的無機能化は、他に例がないのでWin版独自ルールと判断した]


9.母艦


母艦は中央ドームと3個のポッド、ポッド上の砲塔で構成される。
ゲーム開始時に母艦を配置(陸地/湿地上)する。母艦は潮の影響を受けない。
砲塔を除き、母艦および母艦の搭載物は破壊できない。
母艦の積載物[母艦の中味はボード外で、各プレイヤーが保管する。保管できる量は無制限]は全プレイヤーが見られるようにしておくこと。

9.1 母艦への出入
3つのポッドのいずれかから出入りする。入るときはポッドの隣接ヘクスから入り、出るときはポッドの隣接ヘクスに出る。中央のドームからは出入りできない。

鉱石を母艦に受け渡しできるが、母艦に渡された鉱石は母艦のから排出されることはない。得点となるまでそのままとなる。

母艦への積載、母艦からの排出の消費APは1。
母艦内での積荷の入れ替えにAPはかからない。

積載についても排出についても、母艦は通常の輸送ユニットと同様に扱う。ただし
・ユニットは敵射程圏内のポッドから出入りできる。ただし入るときにいる/出るときに現れる隣接ヘクスは射程圏外でなければならない。
・ユニットは砲塔が破壊されたポッドから出ることはできない。
・ユニットは砲塔が破壊されたポッドから入ることができる。
[上記では「ユニット」とあるが、鉱石も同様だと思われる。もちろん鉱石が出ることはないが]

9.2 母艦の捕獲
・すべての砲塔を破壊された母艦に
・攻撃ユニットを最初に侵入
させた敵プレイヤーがその母艦を捕獲する。

捕獲された母艦の色は変化しない。その色に属するすべてのユニットは、この瞬間から捕獲プレイヤーの支配下に入り、自由に使用できる。色違いのユニット複数で攻撃したり、捕獲して良い。自分の母艦を捕獲されたプレイヤーはゲームから脱落する。

母艦を捕獲した瞬間から、捕獲プレイヤーの基本APは5増える。以後母艦を1隻捕獲するごとに5ずつ増加する。もちろん失えば5点減る。

1ターンにおける捕獲プレイヤーの手番数は増加しない。1手番内で支配下のすべてのユニットを操作する。

母艦を捕獲したプレイヤーのみが、その手番および続く手番で捕獲した母艦の砲塔修理を行える。
・砲塔1つ修理につき2AP。
・この修理に風見鶏や鉱石は必要ない。
・敵射程圏内の砲塔は修理不可。
・砲塔は修理したらただちに攻撃可能。
[修理した砲塔がまた破壊されたら、他プレイヤーが捕獲しない限り再修理はできないものと思われる]

すべての砲塔が破壊済の母艦への侵入は、味方ユニットが母艦に入るときと同様(入るときにいるヘクスは敵の射程圏内であってはならないが、入るのに用いるポッドは射程圏内であってもよい)。

10.ゲームの手順


セットアップ
3ヘクスごとに鉱石を1つずつ配置する。そうしたら、海ヘクス上にある鉱石を除外する。

各プレイヤーは母艦、色マーカー1セット、荷船1、カニ1、風見鶏1、ボート1、戦車4、重戦車4、橋1をとる。

残りのユニットは各プレイヤーの製造可能物して共通ストックにする。

15枚ある潮カードをシャッフルし、9枚を「将来の潮」の山札とする。残りは捨札(中味は見ない)。

第1ターン 母艦の着陸
キューブを最初のターンスロットに置く(以後ターンが進むごとに移動するのを忘れないこと)。

各プレイヤーは3分間で、自分の母艦着陸地点を選ぶ。母艦には自分の色マーカーをつけること。着陸ゾーンは2つある島のどちらかか、点線で囲まれた部分。母艦は4ヘクスを占有する。

母艦の配置には以下の制限がある。
・ボードの端から最低1ヘクス離れること
・陸地か湿地のヘクスしか使用できない

選択された着陸ゾーン(岸に接した浅瀬も含む)内のすべての鉱石を除外する。

ここで着陸地に合わせ、必要なら席替えをする。

自分の前に置いているユニットが現在母艦内にあるユニットである。すべてに自分の色マーカーをつける。

第2ターン 配置
各プレイヤーは3分間で、自分のユニットのすべて/もしくはいくつかを自分の着陸ゾーンに配置する。水上ユニットと橋は着陸ゾーンの岸に接して置かなければならない。輸送ユニットは他ユニットを積載した状態で配置して良い。

このターンでは潮状態は通常とする。

第3ターン 5AP
スタートプレイヤーを決定する。手番は時計回り。

最初の潮カードを山札からひき、「現在の潮」の場所に置く。このカードが第3ターンの潮状態を表す。風見鶏が機能している(母艦や輸送ユニットに積載されていない、無機能化されていない)プレイヤーは、次の潮カードを見ることができる。

スタートプレイヤーから手番を行う。各手番は3分間で、使えるAPは5点。

第4ターン 10AP
次の潮カードが「現在の潮」となる(以下同様)。
風見鶏が機能しているプレイヤーは次の潮カードを見ることができる(以下同様)。
各プレイヤーの使えるAPは10点。

第5ターン以降
このターンから、各プレイヤーの使用可能APは15点(基本AP)。
11と19ターン目の最初に「将来の潮」山札が切れたら、「現在の潮」カードを除いたすべてのカードをシャッフルし、6枚を捨て、残りを新たな山札とする。そうしたら風見鶏で次の潮カードを見る。

作戦終了

第21ターン
21ターン目の開始時、全プレイヤーは秘密裏にユニットか鉱石を手に隠し持ち、同時公開する。ユニットを見せたプレイヤーは25ターン目までプラネットに残り、鉱石を見せたプレイヤーはただちに離陸する。

離陸を選んだプレイヤーは手番を行うことなくただちに離脱する。なので20ターン終了時の母艦の中味が勝利点となる。勝利点は鉱石1つにつき2点、ユニット1つにつき1点(破壊されていない砲塔1つにつき1点)。

離陸したプレイヤーがプラネットに残したユニットはすべて無機能化される。他プレイヤーはこれを破壊や捕獲できる。

母艦を複数持っているプレイヤーは、どれかを離陸させることもできる。こうした場合、減った母艦分だけ基本APを下げる。

第25ターン
21ターンで残ることを選択したプレイヤーは、通常通りプレイを続け、このターンで離陸する。

離陸は自分の手番の最後に行う。この離陸にはAPが必要。基本1AP+破壊された砲塔1つごとに1AP。なので砲塔2つが壊れていたら3APかかる。

離陸したら、21ターンと同様に勝利点を計算する。最多勝利点のプレイヤーが勝利する。同点の場合は、最も多くの鉱石を持つプレイヤーが勝利する。

注意:消費したAPは取り戻せない。APを使い果たしてしまったプレイヤーは離陸できず、彼の母艦はフルメタルプラネットに残り、錆ついていく運命となる。